2008年のゴジラに大逆襲の予感が漂ってきた。右ひざ手術、トレード説浮上とプロ生活で、最もトホホなオフを過ごしているはずのヤンキース・松井秀喜外野手。ところが、ギャグを連発するなど実に明るい。加えて、2冊の著書が爆発的な売れ行きを示している。いつもと違う逆転現象が起こっている理由とは-。
これが来るべき爆発の予兆なのか。
「今年のあいつは例年になく明るいし、落ち着いている。自分から恋愛ネタを口にしたなんて、初めて」。こう証言するのは、松井の中学時代、野球部のコーチだった高桑充裕さん=現能美市職員。
故郷の石川県に帰省中の松井は6日、毎年恒例の2つのイベントをハシゴした。
ファンからの質問コーナーでは、最初から「結婚なさらないんですか?」と聞かれ、今年34歳となる独身貴族は「早速ですか。(その質問が)来るとは思っていましたが、早いですね」と苦笑しながら、「もうしばらく、お待ちください」と意味深な発言を。
さらに、「休みの日の過ごし方を、石川の方言で教えてください」との要望には、「昼まで寝とってえ~、ゆっくり昼食食べてえ~(『え~』にアクセントを付けるのが特徴)」と答えた後、聞かれてもいないのに「夜はデートしとるわ」と続け、会場を沸かせた。
そういえば、昨年末のイベントで、巨人・原監督らの前で「ジャイアンツもヤンキースも、頑張りましょう! 僕がヤンキースにいれば、の話ですが」と、もうひとつの“地雷”であるトレードネタに自ら触れている。
松井と親しい関係者は、「よく見ると、好調な時はしかめっ面で、不振の時ほど明るく口数も多い-というあまのじゃくな一面がある」という。打って浮かれるのを自戒し、打てなくてもめげない。逆転の発想が、松井式の危機管理術というワケだ。
実際、松井はこの日も、野球少年から「僕は精神的に弱くてチャンスに打てない。どうしたらいいですか」と質問され、「強いとか弱いじゃない。こちらがチャンスの時は、相手がピンチでしょう。相手の方がビビっていて、自分の方が楽だと思うことだ」とアドバイス。後半は自分に言い聞かせているような感じもしたが…。
その一方で、出版界でも異変が起きている。昨年、出版された松井著の「不動心」(新潮新書)が暮れまでに33万部を超えるベストセラーに。業界でささやかれていた「スポーツ選手の本は売れない」との定説を覆した。そして、昨年12月3日には、2冊目の著書「告白」(PHP研究所)を上梓。直後、PHP研究所の週間売り上げランキングで、社会現象にもなった「女性の品格」(坂東眞理子著)らに次いで3位にランクされる好スタートに。
「不動心」は左手首骨折した年のオフ、「告白」は右ひざ手術の直後に出版され、タイミングは最悪。それでも売れている。
ある出版関係者は「この逆境で何を考え、どう克服しようとしているのか。そこが、幅広い層の読者の興味を引いている。そういう意味で、左手首骨折も右ひざ手術も、こと本の売れ行きに関しては追い風といえる」と解説した。順風満帆の野球人生が暗転、最大の試練の年を迎えた松井だが、悪いことばかりではなかった。もちろん、ここまできたら今年は「浮上」の2文字が待っている。
ZAKZAK 2008/01/07
サービス精神旺盛ですよね!